星降る夜はコペンに乗って・・・♪♪♪

★★屋根を開けると流れ星が時々落ちてきます.by lilimarleen = リリーマルレーン = リリー = リリーコペン

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「はやぶさリンク」:午後4時からの記者会見

2005年11月27日(Sun) 02:14:39

午後4時からの記者会見です。(松浦晋也のL/Dからコピペ)

 出席者は川口淳一郎プロジェクト・マネージャー、井上一宇宙科学研究本部長、ミッション・アドバイザーの上杉邦憲教授、司会の的川泰宣教授。

写真は、左から、的川教授、井上本部長、川口プロマネ、上杉教授。撮影:喜多充成4scientist_thumb.jpg

続き

 川口 昨夜から本日にかけての経緯を説明する。11月19日の第1回にひきつづくもの。第1回はタッチダウンと30分の着陸を行った。第2回は第1回では完遂できなかったサンプリングを目指した。第1回の後、セーフモードではやぶさはイトカワからずいぶん遠くに飛び去ってしまったので、一週間かけて突貫でスタートラインに戻した。
 昨日の午後10時頃、1kmのところから降下を開始。光学航法ではやぶさを誘導し、午前6時頃、垂直降下に移行。垂直降下とは、イトカワのミューゼス海へと、重力に沿って移動する機動。このフェーズにはいると基本的に地上からはリモートコントロールできない。午前6時52分、仮のターゲットマーカー発射シーケンスを発行している。ターゲットマーカーが複数あると誘導システムが混乱するので、投下しなかった。降下途中から、前回のターゲットマーカーが観測されていた。
 ターゲットマーカーは本来、横方向の誘導制御に用いるが、前回の着陸の成果として、ターゲットマーカーを使わなくても誘導ができる自信ができたので、基本的にターゲットマーカーを使わない前提で降下・着陸のシーケンスを組んだ。
 午前6時53分、探査機は4〜5cm/sに降下、高度35mでレーザー高度計に利用を停止、2分後にLDR使用開始、午前7時に14mでホバリング、地形にならう姿勢制御を行った。テレメトリ送信からビーコン運用へ。
 その後、午前7時3〜5分、レーザー距離計は、距離測定モードから、サンプラー制御モードへと変更された。今回は、ガードを減らしシーケンスの継続を重視するようにパラメーターが組んであった。従ってこの後は、弾丸を発射せずに上昇してくることはないようになっている。

 午前7時35分、2つの弾丸(プロジェクタイル)を発射したことが確認された。

 午前8時35分、運用を臼田局に切り替え。臼田でデータ再生を開始。

 午前11時前に化学推進エンジン(スラスター系統)にリークと思われるトラブルが発生。
 実は接近降下中に予兆と思われる事柄が発生していたが、バックアップ系に切り替えて運用していた。
 バックアップから再度主系統に切り替えて噴射を行ったところ、再度同じトラブルが発生した。姿勢が崩れたために、探査機は自律判断でセーフモードに入った。その後、地上からバルブを操作して、リークを停止。

 今後、3日ほどをかけて、セーフモードからの立て直しを行う。立て直しを優先させて、その後にデータダウンロードを行う。

 推進剤リーク量は、当面の運用には問題ない。しかし、帰還に向けての運用はますます厳しくなったと認識している。

 サンプリングについては、リークが発生したので現在に至るまで詳細を把握できていない。しかし、搭載コンピューターのシーケンスはすべて正常に実行されたことが確認できている。接地時の姿勢は崩れてはいなかったと推測しているが、詳細はデータダウンロードを行ってからとなる。

 質疑応答

毎日新聞 今回は弾丸が発射されて離陸してきたと解釈して良いのか。

川口 その通り。サンプラーホーンの変形は奥行き方向と横方向の両方の変化を検出して、弾丸を発射する設計になっている。データによると横方向の変形を検出して弾丸を発射した。弾丸はサンプル採取量を増やすために、0.2秒間隔で2発発射している。着地は10cm/sで行われ、サンプラーホーンはその時に10cm縮む。そこから離陸までの時間が1秒ということ。

毎日新聞 着地を知ったときの気持ちと、運用チームの様子を知りたい。

川口 大喜びした。地表にならった姿勢になって着地、上昇という狙ったとおりの動作をしたので、大喜びである。もちろん私もだ。

NHK くどいようだが、一連の動作が行われたということはサンプル採取ができたということなのか。

川口 私自身はできたと考えているが、確信を持って言うためには状況証拠が必要。証拠(であるデータ)を待ちたい。

共同通信 推進剤がきびしくなっているということだが、もう一回のトライはあり得るのか。

川口 私自身の現在の心境では、サンプルは収集できたと考えているので、もう一度降下しないでもいいのではないかと考えている。運用チームでも、同様に考えていると私は確信している。ダウンロードデータで弾丸発射が確認されれば、帰還準備に入ることになろう。

テレビ朝日 現時点でミッションは山を超えたといっていいのか。

川口 サンプル採取が大きな山であるとは考えていた。復路は基本的に往路と同じである。最後には惑星間空間の再突入を控えているが、これで八割の山を超えたと感じている。

NHK 大分今回はスムーズだったが、今回の成功のポイントはどこだったのだろうか。

川口 誘導航法の精度確保にポイントがあったと考えている。今回は前回と近いところを狙って誘導した。多少前回とはずれたはずではあるが、前回の着陸が非常によいレファレンスになっており、精度良く探査機を誘導できたのではないかと思う。創意工夫で様々なツールを準備してきたのが実を結んだのではないか。リハーサル2回プラス1回と、タッチダウン2回で経験を積んだ結果だろう。

月刊天文 スラスターの現状はどんなものか。修復出来ない場合にはどのような影響があるか。

川口 何が起きたかは現状ではわからないが、リークが起きているというのは単調な宇宙空間を飛んではいなかったということだ。宇宙空間を飛んでいては起きようがない。違う天体に降りた証拠といえるのではないだろうか。
 なおリークと完全に確認されたわけではない。そう思われる事象が起きているということだ。

#東京事務所にマイク移る。

朝日新聞 確認だ。採取できたとするための状況証拠とはどんなものか。

川口 例えば表面に対して探査機のサンプラーホーンが垂直になることだ。これはテレメトリで確認できている。詳細データをきちんと見た上で確実なところをお話したい。

日経サイエンス 誘導航法に習熟したということだが、ホイールの故障でもともときびしいチャレンジが、ますますきびしくなった。それを克服してサンプル採取を成し遂げたということは、技術の取得という点ではより一層の成果があったということか。

川口 その通りだ。ホイールが使えないということだけで、スラスターによる外乱が探査機に加わる。リハーサル段階の降下では、かなり大きな位置や速度の誤差があった。そういった経験に基づいて、本番ではすべてやるべきことが分かっており、それを順調にこなすことができた。

フジサンケイビジネスアイ 弾丸発射の火工品の動作は確認できたか。

川口 今晩マドリッド局運用でも、データ取得を目指したいが、セーフモードに入っているので、かなり難しいだろう。

フジサンケイビジネスアイ リークは止まったのか。

川口 リークかどうかは依然不明だが、推進系の過剰消費は止まっている。

フジサンケイビジネスアイ 復路への影響は。

川口 きびしくなっていることは認識している。今後の検討次第だろう。

#相模原にマイク移る

フジテレビ くどいようだが、テレビを見ている子供達に今回のミッションが成功したことでどんなことが分かるかをわかりやすく説明して欲しい。

川口 サイエンスとしては太陽系の歴史を知ることができるということだ。客席に藤原教授がいるので、そちらのほうが適任だが、彼だと説明が簡単になるかどうか(笑いが起きる)。
 エンジニアリングの面では他の星との往復飛行を行う時代が見えてきたということだ。まだ帰ってきてもいないので申し訳ないのだが。

フジテレビ これで日本の宇宙開発はどのように向かっていくのか。

川口 深宇宙探査が宇宙開発のすべてではない。が、このようなミッションが、理工学に刺激を与えるならば意味があると考える。井上本部長、上杉教授、いかがですか(両者笑っただけだった)。

赤旗 11月に入ってからの睡眠時間を含めた先生自身とチームの生活を説明していただければ。

川口 疲労困憊しております。11月にはイトカワとの地表を、6往復をしたが非常離脱でなかったのは今回のみ(笑)。しかも今回は上昇後にスラスターのトラブルが起きた。ロケットの打ち上げをまとめて体験した気分だ。

週刊ポスト この前投下したターゲットマーカーは誘導に使ったのか。

川口 今回はターゲットマーカーを使わないという前提で計画を組んだ。しかし、発見できれば、データレコーダーに記録を残すということにしてあり、実際発見できたのである。

週刊ポスト 情緒的な言い方になるが88万人の名前がはやぶさを導いたといっていいいか。

川口 いいだろう。

月刊天文 サンプル回収後の検疫設備はどうなっているか。資料分析はどのような体制で行うのか。

川口 復路の燃料が問題ではあるが、ぜひ検疫設備を作ってほしい。今現在その方向で動いている。試料分析は国内外の機関とで体制を組んでいる。

月刊天文 試料の配分の比率は変わっていないのか。

川口 変わっていない。

産経新聞 弾丸2発でどれほどのサンプルを回収できるのか。

川口 やはり数百ミリグラムだろう。レゴリスからの回収になるだろうと考えて2発打った。レゴリスに弾丸を撃ち込むと飛散量は多くなるがサンプラーにトラップできる量は少ない。

不明 危険を回避してアボートする設定は、今回どんなものだったのか。

川口 3つにまで条件を減らしている。1)レーザー高度計が高度を見失った時、3)レーザーレンジファインダーが4本のビームのうち2本が距離測定が不可能になった時、3)地形にならう姿勢制御の量が60度を超えた時——の3つ。障害物については、前回はもっとも感度が低いという設定で挑んだが、それでも障害物が検知されてしまった。そこで、今回は障害物検知のによるアボートを切っている。
 今回も、地形にならう姿勢制御の後、障害が検出された、それでもアボートせずに降りたということである。

的川 井上本部長、コメントをどうぞ。

井上一宇宙科学研究本部長 これまで我々は小さな予算と限られた打ち上げ手段で、ユニークな成果を挙げてきた。今回のような大きな成果を挙げることができて、我々のやってきた道が間違ってはいなかったと感じることができた。今回の成功が、日本の宇宙開発に対して追い風になってくれればと思う。

 はやぶさは目的がはっきりしたミッションであり、ひとつひとつ試験を行い段階を踏んで、成功を手にした。運用チームに尊敬の念を抱くものである。
 マスコミ対応も、このようなミッションが初めてで、色々不手際はあった。が、皆様に助けられてここまで来られた。ありがとうございます。

的川 ミッション・アドバイザーの上杉教授、一言を。

上杉 ネット上などのすごい反応で我々を支えてくれたことに感謝する。川口教授以下、皆素晴らしい習熟だった。最初のリハーサルではcm/sの誤差があったが、前回や今回の降下はmm/s単位で制御を行うことができていた。最初の、さきがけ、すいせい以来20年以上、ここまでできるようになったことを感謝したい。
 月以外の天体に着陸し、離陸してきたのは他に例のない成果である。ありがとうございました。

 ここで、JAXA理事長談話を的川教授が読み上げる。JAXAホームページにアップされると思うので省略。

的川 88万人の名前を載せたターゲットマーカーについては、ここ数日激励のメールや電話を数多く頂いた。またマスコミの皆さんも暖かい記事をありがとうございます。

 写真撮影へと移る。

 最後に、広報を担当した斎藤潤さんについて。「私の正式な肩書きは助教授待遇の主任研究員です。松浦さんに助教授と書かれたので『斎藤さん、出世したんだって』と大分言われました」とコメントされました。
 間違いではないので、とりあえず本blog「はやぶさリンク」終了まで、「斎藤助教授」と書くことにします。

   ## ## ##

 とにかく——
 はやぶさは現在セーフモードにある。スラスターにはトラブルが発生している。これを解決しなければ帰還できない。

 しかし、はやぶさ、川口プロマネと運用チームは、もっとも大変な仕事、小惑星表面上からのサンプル採集を達成したのである。

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